本プロジェクトでは、最新バージョンの docker-mailserver を採用し、フロントとバックエンドを分離したメールサーバー基盤を構築しました。

近年主流となっている外部企業が提供するクラウド型メールサービスでは、送受信されるすべてのメール情報がサービス提供者の管理下に置かれます。
利便性の一方で、データの管理主体、監査要件、情報漏えい時の責任所在など、企業として慎重に検討すべき課題も存在します。

本構成では、こうした点を踏まえ、重要なメールデータを自社管理下に置くオンプレミス構成を採用しました。

SMTP / IMAP / 認証基盤の統合設計

  • docker-mailserver により SMTP(Postfix)、IMAP(Dovecot)を統合構築
  • TLS による通信暗号化、SASL 認証を用いた安全なメール送受信
  • スパム・ウイルス対策機能を組み込み、外部からの脅威への耐性を確保
    Docker による構成管理により、再現性と保守性を高めています。

情報管理を最優先としたオンプレミス設計

  • フロントメールサーバーとバックエンドサーバーを役割分離基盤
  • バックエンドは、メールデータを保持する中核としてオンプレミスサーバー上に構築
  • 外部企業のクラウド基盤にメール本文・添付ファイル・メタ情報を保管しない設計
  • SMTP Proxy を利用し、フロント側からバックエンドへ安全に中継
    これにより、 「誰が・どこで・どのようにメール情報を管理しているのか」を 明確に把握できる構成を実現しています。

自社管理を前提とした確実な移行と運用

  • 既存メール環境からの移行に対応するため、専用の移行スクリプトを作成
  • IMAP を用い、フォルダ構成・既存メールを保持したまま移行可能
  • 日本語フォルダや標準フォルダにも対応し、利用者影響を最小化
    クラウド依存を避けつつ、現実的な移行と運用を両立しています。

本メールサーバー基盤により、利便性だけに依存しない、情報管理の主体性を企業自身が保持する環境を実現しました。

  • 経営・管理部門
    情報管理責任の明確化、監査・内部統制要件への対応。
  • IT部門
    構成把握の容易さ、障害切り分けの明確化、長期運用の安定性
  • 組織全体
    重要なメール情報を自社管理下に置くことによる安心感。